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中国出土文献研究会とは

中国出土文献研究会とは

中国出土文献研究会メンバー1998年秋に発足した「郭店楚簡研究会」は、その後、2001年の上博楚簡の公開を受けて「戦国楚簡研究会」と改称し、さらに、清華大学竹簡、北京大学竹簡、岳麓書院秦簡などの相次ぐ公開によって、2010年に「中国出土文献研究会」と改称しました。
1998年5月、郭店楚簡の全容が『郭店楚墓竹簡』(荊門市博物館編、文物出版社)として刊行されたのを受けて、同年秋、我々は「郭店楚簡研究会」を組織し、島根、大阪、東京などで研究会合を開き、各文献の釈読を進めました。

ところが、2001年11月、上博楚簡の内容が『上海博物館蔵戦国楚竹書』(上海古籍出版社)として公開され始めます。郭店楚簡と上博楚簡は、ともに戦国時代の「楚簡」であり、また、両者に共通する文献も含まれていたことから、この両者を視野に入れた研究の必要性が痛感されました。そこで我々は、この二つの楚簡を対象とする総合的な研究を推進することとし、会の名称も「戦国楚簡研究会」と改め、活動を継続することになったのです。

それから約十年、戦国楚簡研究会は、国内外において精力的な研究活動を展開し、メンバーが刊行した出土文献関係の著書は十冊を数え、関係論文は優に百本を超えました。『上海博物館蔵戦国楚竹書』は、2019年1月現在、第九分冊までが刊行されており、残る分冊および別冊などについても刊行・公開が期待されます。

出土文献研究をとりまく環境は、その後さらに大きく変化しました。それは、郭店楚簡や上博楚簡に匹敵する新たな竹簡の発見です。たとえば、2007年に湖南大学岳麓書院が入手した「岳麓書院秦簡」、2008年に清華大学が入手した「清華大学竹簡」。また、2009年に北京大学が入手した「北京大学蔵西漢竹書」。さらには、1972年に発見された銀雀山漢墓竹簡も、『銀雀山漢墓竹簡[壹]』が刊行されてからしばらく刊行が滞っていましたが、2010年に入って、ようやくその[貳]が刊行されました。これら新出土文献の相次ぐ公開によって、中国古代思想史研究は、さらに大きな飛躍期に入ったのです。

そこで我々研究会も、「戦国楚簡」に限定することなく、これらの出土文献を総合的に検討する必要に迫られました。従って、研究会の名称も「戦国楚簡研究会」から「中国出土文献研究会」に改称し、より広い視野で新出土文献を研究することとしたのです。

組織と活動

この研究会は、『郭店楚墓竹簡』の刊行によって郭店楚簡の全容が公開されたのを受け、1998年(平成10年)秋に結成されました。その後、「戦国楚簡研究会」と改称し、さらに、2010年に「中国出土文献研究会」として新たに発足しました。2019年1月現在のメンバーは、湯浅邦弘(大阪大学教授)・福田哲之(島根大学教授)・竹田健二(島根大学教授)・草野友子(大阪大学助教)・中村(金城)未来(福岡大学講師)・清水洋子(福山大学准教授)・曹方向(安陽師範学院文学院講師)・椛島雅弘(京都産業大学・和歌山大学・大阪樟蔭女子大学非常勤講師)の8名です。

活動は、国内での定期的な研究会合を主としますが、平成12~15年度には、科学研究費補助金の交付を受け(研究代表者:竹田健二、基盤研究B「戦国楚系文字資料の研究」)、研究会の活動は大きな展開を遂げました。2004年(平成16年)3月には、国際シンポジウム「戦国楚簡と中国思想史研究」を開催するなど、国際交流も活発に行っています。

さらに平成17~20年度の基盤研究B「戦国楚簡の総合的研究」(研究代表者:湯浅邦弘)に続いて、平成21~25年度の基盤研究(B)「戦国楚簡と先秦思想史の総合的研究」(研究代表者:湯浅邦弘)、および平成26~30年度の基盤研究(B)「中国新出土文献の思想史的研究」(研究代表者:湯浅邦弘)が、科学研究費補助金の交付を受けています。国際学術交流を含む、研究会の飛躍的な発展が期待されます。


中国出土文献研究会
事務局:大阪大学中国哲学研究室内
〒560-8532 大阪府 豊中市待兼山町1-5
大阪大学大学院文学研究科 中国哲学研究室

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