出土文献研究の展開

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『清華大学竹簡と先秦思想史研究』

湯浅邦弘
中国研究集刊 玉号(総五十号)平成二十二年一月 二八〇―二八八頁

出土文献研究の展開

短期間の内に出土文献研究の二大拠点を訪問し、それぞれのセンターを率いる二人の権威との会談が実現した。

清華大学は新たな戦国竹簡を獲得したとの自信に溢れている。これから数十年、「清華簡」学は、中国古代思想史研究の重要テーマとして君臨し続けるであろう。また、一挙に十名ものスタッフを集めて研究センターを設立した復旦大学も、夜九時半を過ぎて研究室の光は煌々とついたままであった。出土文献研究の牽引役となることは間違いなかろう。

先秦思想史の研究は、郭店楚簡、上博楚簡に続く清華簡の発見によって、また新たな局面を迎えようとしている。


(1)我々研究会からは、会談の冒頭、以下の書籍を贈呈した。

  • 『竹簡が語る古代中国思想(二)─上博楚簡研究─』(浅野裕一編、汲古書院、二〇〇八年九月)
  • 『上博楚簡研究』(湯浅邦弘編、汲古書院、二〇〇七年五月)
  • 『古代思想史と郭店楚簡』(浅野裕一編、汲古書院、二〇〇五年十一月)
  • 『竹簡が語る古代中国思想 ─上博楚簡研究─』(浅野裕一編、汲古書院・汲古選書、二〇〇五年四月)
  • 『諸子百家〈再発見〉』(浅野裕一・湯浅邦弘編、岩波書店、二〇〇四年八月)
  • 『上博楚簡與先秦思想』(浅野裕一著、台湾・万巻楼、二〇〇八年九月)
  • 『戰國楚簡與秦簡之思想史研究』(湯浅邦弘著、台湾・万巻楼、二〇〇六年六月)
  • 『戦国楚簡研究二〇〇七』(『中国研究集刊』第四十五号、二〇〇七年十二月)

(2)我々研究会からは、会談の冒頭、注(1)前掲の書籍を贈呈した。また、研究センター側から以下の書籍の寄贈があった。

  • 『出土文献与古文字研究』第一輯(復旦大学出土文献与古文字研究中心編、復旦大学出版社、二〇〇六年十二月)
  • 同・第二輯(二〇〇八年八月)
  • 『復旦学報』(社会科学版)二〇〇九年第一期
  • 『復旦大学出土文献与古文字研究中心通訊』第一期(二〇〇七年十二月)
  • 同・第二期(二〇〇八年十二月)

(3)この詳細については、戦国楚簡研究会「上海博物館蔵戦国楚簡「字書」に関する情報」(『中国研究集刊』第四十三号、二〇〇七年六月)参照。

(4)我々の訪問の概要は、二〇〇九年九月六日付けで、研究センターHPに紹介された。また、浅野裕一「上博楚簡《柬大王泊旱》之災異思想」(九月十三日付)、同「上博楚簡《凡物流形》之整體結構」(九月十五日付)に続いて、草野友子「關於上博楚簡《武王踐阼》中誤寫的可能性」(九月二十二日付)が同HPに掲載された。

[附記]
 本研究は、平成二十一年度科学研究費補助金基盤研究(B)
 「戦国楚簡と先秦思想史の総合的研究」(研究代表者・湯浅邦弘)による成果の一部である。

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