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『北京大学蔵西漢竹書について』 中国出土文献研究会

『中国出土文献研究2010』(『中国研究集刊』別冊特集号〈総五十二号〉)
平成二十三年二月 一〇五―一一八頁

一、戦国楚簡研究会から中国出土文献研究会へ

一九九八年五月、郭店楚簡の全容が『郭店楚墓竹簡』(荊門市博物館編、文物出版社)として刊行された。これを受けて、同年秋、我々は浅野裕一を代表者とする「郭店楚簡研究会」を組織した。島根、大阪、東京などで研究会合を開き、各文献の釈読を進めた。

ところが、二〇〇一年十一月、上博楚簡の内容が『上海博物館蔵戦国楚竹書』(上海古籍出版社)として公開され始めた。郭店楚簡と上博楚簡は、ともに戦国時代の「楚簡」であり、また、両者に共通する文献も含まれていたことから、この両者を視野に入れた研究の必要性が痛感された。そこで我々は、この二つの楚簡を対象とする総合的な研究を推進することとし、会の名称も「戦国楚簡研究会」と改め、活動を継続することになった。

それから約十年、戦国楚簡研究会は、国内外において精力的な研究活動を展開し、メンバーが刊行した出土文献関係の著書は十冊を数え、関係論文は優に百本を超えた。『上海博物館蔵戦国楚竹書』は、二〇一〇年十月現在、第七分冊までが刊行されており、残る第八・第九分冊および別冊などについても更なる研究が期待される。

しかし、出土文献研究をとりまく環境はこの数年、さらに大きく変化した。それは、郭店楚簡や上博楚簡に匹敵する新たな竹簡の発見である。たとえば、二〇〇七年に湖南大学岳麓書院が入手した「岳麓書院秦簡」、二〇〇八年に清華大学が入手した「清華大学竹簡」。また、二〇〇九年に北京大学が入手した「北京大学蔵西漢竹書」。さらには、一九七二年に発見された銀雀山漢墓竹簡も、『銀雀山漢墓竹簡[壹]』が刊行されてからしばらく刊行が滞っていたが、二〇一〇年に入って、ようやくその[貳]が刊行された。これら新出土文献の相次ぐ公開によって、中国古代思想史研究は、さらに大きな飛躍期に入ったのである。

そこで我々研究会も、「戦国楚簡」に限定することなく、これらの出土文献を総合的に検討する必要に迫られた。従って、研究会の名称も「戦国楚簡研究会」から「中国出土文献研究会」に改称し、より広い視野で新出土文献を研究することとしたのである。

(湯浅邦弘)

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